ブログ名変更しています

当初考えていた書き方は視野を狭めてしまうなと感じたので書き方を変更しています。メインは日々ぷかぷか〜笑顔が好きにて記載していきます。

村山早紀 桜風堂ものがたり PHP が贈る書店員への応援歌

f:id:uji-shoten:20161023094607j:image

おはようございます。

ずいぶん涼しく秋らしい天気になりました。朝は早くに起きて、2時間ほど子どもと散歩に出かけます。空気が澄んでいるので、心も身体も朝を感じて元気になります。

桜風堂ものがたり、読んだ方も多いかと思います。私にとって、この本は書店員さんへの応援歌であり、お客様にとっては、声に出して語れない書店員さんからの想いを代弁している本であると思いました。

 

先日も当店で悲しくも万引きがありました。たまたまお店にいたお客様がよく知っていらっしゃる家の人だったので、悪気はなかったと語ってくださいましたし、事なきを得ましたが、やはり悲しい事実であります。

 

書店にとって万引きは、皆様が思っているよりもずっと苦しいことなんです。

 

この物語は、月原一整という書店員が、万引き事件を切っ掛けとして10年勤めた勤務先を退職するというところから始まります。他人事ではない物語。書店員なら、のめり込んで読むかもしれません。本屋が好きな方も、夢中になって読むかもしれません。

 

書店員を長く勤めると、本屋の持つ独特な空間もそうですが、本たちが織りなす光や、呼び込む偶然、そして、自分が見つけた宝物のような本が目の前で売れていくのをみていく感覚から離れがたくなるのです。本当に素敵で特殊な感覚なので、味わったことのある人だけが分かるものなのだと思います。

 

不思議な感覚や出来事が、桜風堂ものがたりには、リアルに描かれていて、たくさん、たくさん話を聞いたのだろうなと思わせるものがありました。

 

自分の書店を持つことは、誰でも一度は夢見ることです。

私も、こうして架空の書店を作っているものの、リアルには程遠いです。手をかけてあげることが、棚が輝く大前提。その場所がないのは、とても寂しい気持ちになります。

私は今、ここでこうして、実際に会えなくても言葉を紡いでいければ満足です。お客様が会いに来てくれたら、もっと嬉しいけど、欲張ってはいけません。

一つ一つ大切に、日々ぷかぷかと生きていけたらなんて願っています。

 

いつか、この宇治書店で会話が出来るといいのにな、なんて夢見てます。ゆっくり歩んでいきましょう。

またのご来店をお待ちしております。

 

2016東京国際ブックフェアに行ってきました!

f:id:uji-shoten:20160929191144j:plain

いらっしゃいませ。

本日もお仕事お疲れさまです。保育園に仕事に、本当にお疲れさまです。運動会のための縫い物や、手作りの品々、さらに仕事もあってほっとする暇もないと思います。身体には充分気を付けてくださいね。

今日は、そんな忙しいお母様にクリスマスを先取りしておすすめの絵本がございます。頭の片隅に入れておいていただけたらなぁなんて思っております。

先週末に開催された東京国際ブックフェアに行ってきた際、子供に何度も「読んで読んで」と頼まれた本なんですよ。私もはじめて知りました。まさに、子供に教えてもらった…というものです。

tupera tupera 「さんかくサンタ」絵本館
本体価格1200円

絵本の出版社が集まるブースに行き、知り合いの出版者さん書店員さんとご挨拶などなどしていたのですが、たくさんの絵本がある中で子供が選んだのは、この本でした。

「さんさんさんかく、さんかくサンタ♪」と歌うように読み聞かせたところ、いたく気に入り合計で七回も読みました。そんなに気に入ったなら…と購入致しました。

帰ってからも、何度も読みました。
ブックフェアが終わってからも、毎日五回以上読んでおります。本当に気に入った様子でした。

子供は無邪気で、こちらも嬉しくなるものです。もし、プレゼントに迷ったら参考にしていただけたらと思いますよ。あ、少し笑ってくださいましたね。良かった。お店に入ってきたときは、眉間に皺がありましたよ。笑うと、幸せな皺が出来ますね。

ここからは、お母様に質問なんですが、実は気持ちがざわついたこともあったんです。「お母様にとって、本は必要不可欠なものですか?」私は、専業主婦になって、はじめて本屋で働く自分の価値観が、本当はお客様に寄り添えてなかったのではないか…と思ったんです。本屋で働く人は、やっぱり本が好きだし、売り上げもとりたいから本を勧めますよね。でも、お客様の立場で考えたら、場所もとる、かさ張る、などの理由で「今、必要なもの」ではないのかもしれないと感じたのです。

今回のブックフェアで、何だか得たいの知れないなにかと向き合った気持ちになったんですよ。それは、メモを片手に大量に買っていく大人をみてだったり、目が真剣で下に子供がいることにも気付かないで押し退けている姿だったり、泣いている子供をみて舌打ちしてきたり、そうした小さなことなんですが、そんなに欲しかったら「本屋」で買えばいいのに…と思いましたよ。ブックフェアは割引があるので、安く手にはいるとは思いますが、遠い人からしたら交通費だけでそのくらいは払うことになりますよね。
いや、でも、色んな出版者さんが出展しているので、全てそろう可能性は高い…そう考えることもできます。何が言いたいか…というと、子供を押し退けてまで購入したいのなら本屋を利用してもらえたらいいのにな…ということ、そもそも、本は必要なものなのかな…ということを自分自身が書店員として考えて向き合わなくてはならないなと思ったんですよ。本屋が本当に必要とされているのか。
お客様と寄り添うためには、ちゃんと答えを導き出さなくてはならないなと感じましたよ。

すみません…店主の私がぼやいてしまって。あぁ、受け入れてくださってありがとうございます。お客様が笑ってくださったように、私も一生懸命寄り添っていかなくてはなりませんね。書店員としての自分に。聞いてくださってありがとうございます!

大瀧純子「女、今日も仕事する」ミシマ社 を読んで大事なことを教えてもらいました

f:id:uji-shoten:20160815115655j:plain

いらっしゃいませ。
今日は、午後から天気がくずれるようですね。

お陰さまで、少しずつお客様に当店が認知されてきたようです。ちらほら、世間話をするようになってまいりました。
先日も同じイベントに行った方と盛り上がったりしました。ありがたいことです。

2016年7月30日、31日と開催されていた「BOOK MARKET 2016」に行ってきました。出版社の営業さんが一般読者の方々に心と言葉を尽くして届ける、イベントです。書店員として、また一般読者として挨拶もかねてフラリと伺いました。今回は「いくらまで」と決めていなかったため、お財布は軽くバッグは重い…といった状態になってしまいました。お客様は、きちんと「三冊まで」と決めていたようです。三冊購入すると、写真のようなバッグがプレゼントされるんですよね。ですから「三冊まで」だったようです。見習わなくてはいけませんね。

さて、お客様と盛り上がったのがミシマ社ブース!!営業トークに熱が入っているほか、全体的に温かな空気が流れておりました。笑顔が素敵な営業さんや、全身から熱いものが溢れる営業さんがいらっしゃいました。おすすめする本に責任を持っていて愛情も感じる。学ぶところがたくさんあるトークでした。私もおすすめしてもらいました。それが、写真の本です。

「もし、また仕事に復帰したいと願っているなら、こちらの本をおすすめします」と語ってくれました。私は、現在子育てをしているため実際の現場では働けない状況です。(それでも伝えたいものがあってブログを開設しました)しかし、いつかは戻りたい。現場でお客様に本を手渡したい!!という想いがあります。そんな気持ちを見抜いてくれた営業の男性には感謝の気持ちでいっぱいです。

女性は常に岐路と立ち向かっています。独身時代は年齢と共に結婚を意識し、結婚すれば子どもを意識し、子どもを育てていると仕事がしたくなり、ないものねだりになってしまう。個としての自分がいなくなるような感覚になってしまいます。もちろん、色んな考えがあると思いますが、ご来店されたお客様は、私の息子と同じ年頃の女の子を育てていらっしゃいました。なので、共感していただけました。

そこで、こんな一文に救われたという話をしました。
引用します。
P172「真剣に「時を待つ」ということ~(中略)今は決められないことをずっと持っていくと、「決める」というよりも「決まる」。」

お客様は焦っておられました。「他のママ友は、何かしようとしたときに何かしら持っている。私には何もないんだ」と。
でも、私もそうなんです。何かしら持っているように見えてしまうんですよね。

私たち主婦は、一見楽そうに見えるかもしれません。けれど、常に予測できない子どもの動きに対して、推測し先んじて行動を起こしています。頭はフル回転。目標に向かって(例えば洗濯物など)さっと終わらせたくても、途中で考えてもないことがあれこれ起こるので、五分で終わるところが三十分かかったりする。時間配分も多めにとって全ての事を行っている。外で一日遊ばせて帰っても座る暇なく夕飯の準備…そうした「仕事」は、誰かがやらなくちゃ生活できないものであり、立派な仕事だと思えました。育児は仕事だと思えるようになると、人生も豊かになるような気がしました。

焦らず待つということ。これは、とても大事なことだと思いました。

お客様に、その本をお貸しして先日返ってきました。お客様の心に残った一文は、こちらです。
引用します
P181「人生に何かを期待するのではなく、人生が自分に何を期待しているのかを考える」
これは著者さんが読まれた、ある本の一節だそうですが、心に突き刺さるようだとおっしゃっていました。

人生が自分に何を期待しているか、考えたことありませんでした。私は、本書を読み「今出来ることに対して最大限に真っ直ぐに向き合っていれば、少しずつ前に進めているのではないか」と教えられた気がしました。お客様に感謝です。

もし、今、同じように子育てを頑張っている方で、仕事とか人生とか自分といった、形として見えない何かに焦っている方がいたら、本書をおすすめします。自分を自分で否定してしまったら、誰も肯定してくれなくなってしまいます。一生懸命生きている、子育てして働いている自分を、認めても良いのではないかなと思えました。

宇治書店は、「なんだか安心するね~」といってもらえるように日々ぷかぷか努力します。お客様のまたのご来店心よりお待ちしております。

ありがとうございましたm(._.)m

宇治書店 本日より開店致します。

いらっしゃいませ。

本日よりオープン致しました「宇治書店」の店主「さわこ」と申します。

現在、一歳四ヵ月の元気いっぱいな息子がおります。

 

幼い頃から書店とカフェを併設した、色んな人が集まる場所を作りたいと夢見ておりました。現実的には難しく諦めておりましたが、こちらで架空の書店を作ってみようと考えました。

 

私は「本に書かれてある一文が、どこかの誰かを救う」と本気で信じています。

 

「宇治書店」では、「本」を通じて「生活」に関わる色々なことを語り合える場にしていきたいと思っています。

「誰かにとって書店が第二の家」になるように。

そっと肩を寄せ合えるような書店にしていけたらと思っています。

 

品揃えはこれから少しずつ増やしていきたいと思っております。

どうぞ、よろしくお願い致します。ご来店、お待ちしております。