宇治書店~日々ぷかぷか~

「書店を第二の家」にしたいという想いから、このブログを立ち上げました。子育て中のため実際に店頭に立てない日々が続き、伝えたいものが溢れてきたので架空の書店で接客をしつつ、本を紹介していけたらと思います。読んだ人がほっこりする空間を目指していけたらと思います。迷ったときは、お店に遊びに来てください。

大好きな大好きな益田ミリさんの「今日の人生」ミシマ社をこの先の人生、何度も何度も読み返すだろう

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 いらっしゃいませ、こんにちは。

 

今日は雨が降ったり止んだりと落ち着かない日々です。こんな日も、子どもは元気に走り回り、親も一緒に走り回ります。

電池が切れるようにパタリと寝てしまった息子の寝顔を見ながら、なんだか無性に本が読みたくなって、いつでも止められるように本書を選びました。

 

いつでも止められるように、なんて思っていたのに、言葉が胸に響くから次も次もと欲張ってしまい、運良く息子も寝ているので読了できてしまいました!

一冊一気に読み切れることの幸せ&益田ミリさんの独特の空気を堪能できた幸せで感無量でございます。

 

益田ミリさんの作品は、何冊か持っていますが、本書は年代問わず、いつでも寄り添ってくれる本だと思いました。

 

育児は毎日毎日同じことの繰り返し。けれど、子どもは同じことなんて一つもなくて毎日が冒険。大人になると些細なことも見逃してしまうけれど、子どもは全部一生懸命、感じて見て捕まえようとする。このままでいいのだなぁ、と思えます。

益田ミリさんは、大人だけど、子どものような純粋な瞳と感受性を持っているのだなと、そして、その感覚は、どの人にも備わっているのだなと思いました。

心を閉じたり、卑屈になってしまったりするときもある。でも、そのあとは閉じた目を開いて見てもいいのかもしれないと思える本です。

 

実は今週、少し心がクサクサしていました。何が、という原因はないのですが、心に積み重なったものが重くのしかかっていて上手く折り合いがつけられなかったのです。

けれど、ミシマ社さんの一年遅れの10周年記念イベントに参加させていただいて、この本と出会って、そして今このときのタイミングで読めたことに心から良かったなと思えました。

 

すぐ言葉で傷ついてしまう弱い心を持つ私ですが、それでもいいと、これだけは守るというものがあれば、他人に低く見られようと、過去のように言葉で攻撃されたとしても、悲しくてもいいやと。あの人がすごい、この人がすごい、上を見たらキリがないなと思えたのです。

文章は下手でも伝えたいことがある、リアル書店で働けなくても信念は揺るがない、例え自分から人が離れたとしても、また出会いがあるはずだと、益田ミリさんの一つ一つの言葉に励まされたのでした。

誰かのために、と思って生きてきた。でも、今は息子の笑顔のために、で精一杯。それでいいじゃないかと思えたのです。

 

本屋での接客は好きです。他者の力になりたいという気持ちもあります。

でも、いまは、守りたい人を守れる人でありたいと思います。

 

もし、益田ミリさんの本と出会って、少しでも「このままの私でいいんだ」と思える人が増えたら、当店としてはとても嬉しいことです。

笑顔が一つでも多く輝きますように。

エルヴェ・テュレ さく たにかわしゅんたろう やく ポプラ社の本たちシリーズ

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いらっしゃいませ、こんにちは。

今朝は曇っていますが、空気が澄んでいて気持ちが良いですね。

先日、2歳5ヶ月になる息子が「自分で!」と言ってカウンターに「どうぞ」できた本たち。息子自身で選んだ本が、まさか書店員のときの私が「いつか買ってあげたいな」と思っていた本だなんて。感慨深いものです。

3冊のうち、「まるまるまるのほん」が特に気に入った様子。

クリックという単語が出て来ますが、まだ分からないので、トントンしてみて、と言葉がわかるように読んでいます。

一生懸命たたいたり、ふーっと息を吹きかけたり、拍手したり。

とても気に入った様子なので、今度は新刊書店(当店は架空)で購入しようかと思います。

自分が親になって分かったことの一つに、何歳だからこの本とか、男の子だから女の子だからこの本とか、選ぶ目安として提示はしていたけれど、本当の部分(きちんと中を見てゆっくり選んでいただく、その子の好きなものや好きなことを会話で引き出しながら一緒に考える)ということは、忙しい毎日の中で全く出来ていなかったなぁと振り返っています。

現在の本購入への道のりとして

●図書館で少しでも息子が反応したものをかりてみる。

●家で落ち着いてから、ゆっくり読む

●途中で話を聞かなくなったら他の本にして、それでも聞かなかったらやめる

●自分から読んでーと言ってきた本を読む

●1日に2回読んでと言ってきた本は本当に気に入った本

●購入

といった流れになっています。

もちろん、大人になったら、元書店員としては本を購入してほしいと思います。自分に合わない本も出てくるし買わなきゃ良かったなんて本もあるかもしれません。それでも、たくさんの本の中から必要な本を見抜く目が養えるはずだから。

でも、いまは。

いまは、まず本が好き!選ぶの楽しい!と思ってもらいたい。だから、自分でカウンターに持っていける図書館でかりて、自分で選んだ本に目を通す。ということを楽しんでもらえたらと思っています。

そして、気に入った本は買って手元に置いておくものなんだ!と思ってもらえたら。少しでも、本屋さんの大切さ感じてもらえるかな、なんて思っていたりします。夢みたいな話ですけど、当店にいらっしゃるお子様には、本屋で自分という翼をめいっぱい広げてもらえたらと願っております。

 

 

 

 

 

 

 

成田名璃子「ベンチウォーマーズ」メディアワークス文庫 第12回酒飲み書店員大賞受賞!!!

2016.10の下書き分です。

 

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いらっしゃいませ。

現在、当店では酒飲み書店員大賞のフェアを行なっております。奇妙な名前の賞だと思いますよね。本賞は、千葉の酒好きな書店員が集まって一冊の本を選出し、みごと大賞をとった作品を、参加した書店員が所属する書店で協力して、お客様にオススメし、届けよう!という賞でございます。

第12回酒飲み書店員大賞を受賞されたのは、成田名璃子さんのベンチウォーマーズでした!青春も青春!!私はこんな時代あったな、なんて初々しくなりましたが、どんな人が読んでも胸がキュンとするはずです!!

他県でも、さまざまな賞があります。色んな選出の仕方がありますが、私がこうしたイベントが面白いなと思うのは、自分では見つけられなかった本と出会えるからだと思っています。

この本、もう知ってるよ、有名だし。と思われる本が選ばれることだってあると思います。でも、私は思うんです。

ネットの力によって情報が数多くの人の目に触れていく。だから、見たことのある本が増えていく。知られるから選ばれる。つまり、知られていなかった本にも知ってもらえるチャンスがいくらでもあるんだ、と。最初は、どの本だって埋もれているんですよね。それを、業界内でも業界外でも、発見した人が必死に伝えていく。そうして、少しずつ日の光を浴びていくのではないでしょうか。賞をとるということは、読んだ人に何かしらの力が働いたということ。その力をもつ本だったということ。だから、どんな本にも同じように寄り添えると、きっと、本も恩返しのように、人の力になってくれるんじゃないか。なんて信じています。

 

↑随分前に書いていた文章。

途中で終わってしまっていましたが、消すのももったいないので、今更ながらアップしておきたいと思います。

 

 

本が読めない日々も大切な時間

あっという間に時は過ぎ、息子は2歳4ヶ月。言葉も達者で、なにかというと交渉さえしてくるようになりました。

有難いことに、本屋が大好きな子になりました。1度お店に入ると1時間半は帰らせてくれない程。筋金入りの本好きになりそうです。

実は、今年の4月にリアル書店へ復帰できる予定で動いておりました。しかし、さぁ、明日からだ!というときに諸事情があり復帰することが叶わなくなってしまいました。そんなこんなで、多少なりとも落ち込んでいたりしましたが、気持ちも前向きになり、仕方ないとも思えたので、また少しずつ書いていこうと思います。

本はなかなか読めない日々が続いております。

世の中のお母様方は、どのような生活をしていらっしゃるのだろうと考えたりします。

5:30-6:30(季節にもよる)起床、パズルなど

7:00-7:30朝食

-9:30後片付けや、洗濯、掃除など

9:45-12:00外遊び

お昼

13:30-14:00昼寝、添い寝

-15:30または16:00まで寝てる

この間に夕飯の準備や諸々

残った時間で自分の時間、仮眠など

16:00しばらくおひざで抱っこ

16:30家遊び

17:00夕飯

17:30-食後の外遊び

18:30-19:30入浴、就寝準備

20:00就寝 1時間くらいかかるときもあるので、時折一緒に寝てしまう

 

基本的に何かしていても、中断は必須なので、いつでもやめられるようなことしかしていません。本の紹介だけに絞ってしまうと、全く更新が出来なくなるので、育児のことや、考えたことなども今後は綴っていきたいなと思います。

もし、読んでくださっている人がいたら、お付き合いいただければと思います。よろしくお願い致します。

 

注目の作家 彩瀬まる 骨を彩る が2月上旬に幻冬舎から文庫で発売予定!改めて読み直してみましたよ。

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いらっしゃいませ。こんにちは。

本日は心地の良い天気で、皆さん散歩帰りに寄ってくださいます。西日が当たるこの時間がとても好きなのですが、書影も本書に相応しく隠と陽を感じさせるように撮れたかなと自負しております。

 

2013年に発売した本書。

あのひとは蜘蛛を潰せない という本を読んで衝撃を受け、彩瀬まるさん天才だ!と叫び、叫んだところ同業の方に本書を勧められて読み、また、天才だ!!と確信したご縁があります。

 

一度、トークイベントに参加させていただいた際に、実際にお目にかかり、まるさんが声を出すたびに惹きつけられる強さだったり、脆さだったり、そういうものを自分で考えて言葉にするための間だったり全てが心を掴む方だなと思いました。言葉を編む職業だからかもしれませんが、言葉を大切に丁寧に発されていると感じましたよ。

 

当店のお客様の中に、物腰の柔らかい日々を丁寧に生きていらっしゃる年配の女性がいます。まるさんは、そう、その方のようにどこか達観している雰囲気がありました。トークが終わると、がらりと変わってキュートでよく笑う年相応の表情になるのです。そんなところも、また魅力的でした。

 

マザーテレサは日本に訪れた際、

「豊かそうに見えるこの日本で、心の飢えはないでしょうか。だれからも必要とされず、だれからも愛されていないという心の貧しさ。物質的な貧しさに比べ、心の貧しさは深刻です。心の貧しさこそ、一切れのパンの飢えよりも、もっともっと貧しいことだと思います。日本のみなさん、豊かさの中で貧しさを忘れないでください。」

とおっしゃった。

心に「ない」を抱える人は、この日本に一体どれだけいるのでしょう。便利になればなるだけ、心が「ない」と感じる日本に一体なにが必要なのでしょう。

 

本書を読んでいて、わたしはいつも心掛けるようにしていることを、改めて思い直しました。それは、どんな人のことも、一度は受け入れてみる ということ。なんですが、これがなかなか難しく、苦しい。小春が葵に見せたように、好きなのに受け入れられなくて壁に悩んだり、こちら側の価値観を知らず押し付けてしまっていたり、する。大人になると、うまく遠ざけようとする。本書にある通り。フツーに毎日を過ごしていると、ふとした瞬間寂しさに襲われる。その寂しさは人によっては肌と肌を合わせないと埋まらない、実際はそうしても埋まるものではないのだろうけど、そうせずにはいられない空虚さを現代の人は持っている。

 

本書は、目を閉じてしまいがちなものたちに、きちんと目を開けて向き合うことが大切なのだと語っている。背けるから自分に嘘をついている気がして苦しくなる。一回嘘をついた自分が信じられなくなる。疑問はぶつけてみればいい、分からないなら挑戦してみればいい、悲しいなら泣けばいい、相手に合わせて心を殺して生きるよりよっぽど得られるものは大きいのだから。

空気が読めるということは大事だと思う。でも、自分の心に嘘をつくのは、やっぱり傷が深くなる前にやめよう。

わたしは自分に嘘や言い訳ばかりしてきた。逃げ道をまずは探す癖がついていた。だから、本に助けを求めた。自分がどうしたらいいか分からなかったから。あるいは、分かっていたけど分からないならふりをしていたから。

 

あれから6年以上経ったいま、本書に出会って、少しは自分を信じられるようになったのかもしれない、と感じられた。

 

彩瀬まるさんの本は、心の貧しさに温かい光を灯してくれる、さらに理由まで説明してくれる、強く凛としたメッセンジャーだと思いましたよ。

 

熱を帯びて語りすぎてしまいましたね。気付けば足下で猫ちゃんが寝ております。迷い猫でしょうか?

 

もし、気になって文庫を手にとってくださったなら幸いでございます。

本には人の命が込められていますね。

では、またのご来店お待ちしております。

 

なにかなぜか空虚さを感じたときは、涙が溢れるときは、なにか買わなくちゃと思わなくていいから、本屋に足を運んでみてください。きっと、前に進むためのヒントが見つかるはずだから。わたしはそういう人の力になりたくて、この宇治書店を開店させたのだから。たった一人で寒空の中にいないでほしい。あたたかいお店で、声をかけてほしい。どうか、独りだなんて思わないで、ほしいです。

 

 

エーリヒ・ケストナー 作 池田香代子 訳 飛ぶ教室 岩波少年文庫

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いらっしゃいませ。今晩は。

本を読むための、まとまった時間がなかなか取れずに日々を過ごしていましたら、あっという間に2016年が終わり2017年へと移り変わっておりました。

 

書店員として働いていると、たくさんの本と出会います。売るために、どう展開していくかが大事なので、新刊は限られた時間の中でやりくりしながら、読んでおりました。過去に発売された名作、気になっていてもなかなか読めずに過ぎ去る毎日。そんな日々が続いていました。

本日の天候は風が強く外では遊ばせにくいため図書館へ向かいました。子どもの本を借りる際、ふと目についた作品が「飛ぶ教室」でした。あれ、どんな話だったかな?と感じたのが切っ掛けで、借りて読んでみました。

 

一言でお伝えすると、感動しました。ものすごく。

 

言葉の一つ一つが、本に埋もれる仕事である私の心に、すっと染み込んでくるのです。読み進めるうちに、言葉が花開くといいますか 少しずつじんわりじんわり溶けて ラストはもう胸がぎゅっと苦しくなるくらいの感動で、いま、読めてよかったと思いました。

 

ケストナーさんは、ナチス政権の手中にあるドイツに対して、勇気を出して本という力を借りて、大声で何が大切かを叫んでいたのだと思うと「アンネの日記」が幼心に震えたように「飛ぶ教室」もまた、大人が改めて読むべき本であると感じました。クリスマスはもう過ぎてしまいましたが、時折ゆっくり大切なものがなんなのか考える時間を持てる大人でありたいと、思わせてくれました。自分への最高のクリスマスプレゼントになるだろうと思います。

 

本にはタイミングがあると信じています。その人が求めていることを本が教えてくれる。

今月の末に小学館から夏川草介さんの新刊が発売されます。そちらの本とも似通っているかもしれません。

 

今年の目標は

育児の手を抜く

行きたいところ、やりたいことに挑戦する

と決めた瞬間出会った本でしたので、本人が一番ビックリしています。少し自分自身の中で考えていることに不信感を持ってしまっていた矢先でしたので勇気がでました。

本はいつも私を助けてくれます。

 

本は生きています。だから、何を読めばいいか分からなくなったら、心の声に耳を傾けてみてください。きっと、本の方から傍にきてくれるはずです。

 

当店に来てくださるお客様の中にも、救われる一冊がありますように。

 

きみがしらないひみつの三人 の絵本が教えてくれた生きることの尊さ

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いらっしゃいませ。本日は、太陽の輝きや葉っぱが風に舞う様子が美しい秋空ですね。

午前中は子どもを病院に連れて行きました。そのため、しばしお店を閉めておりました。大変ご迷惑をお掛け致しました。

病院というのは待ち時間が長く、子どもも退屈になってしまうものです。そんなときに、絵本というのは物語の世界へと連れていってくれるのでありがたい存在ですね。

そこで、たまたま目に入った徳間書店の絵本に考えさせられました。

「きみがしらないひみつの三人」 ヘルメ・ハイネ作・絵 天沼春樹 訳

誰しもうまれると、三人のともだちがやってくる。アタマはかせと、ハートおばさん、ふとっちょのいぶくろおじさん、それぞれの場所に住むらしい。

そんな一人と三人が、成長していくためにどうしているかを描いているのだけど、病院で読んだからか、人の生死について、少し想いを馳せてしまったのです。絵が独特だからでしょうか。言葉が厳選されているからでしょう。切なくなったんです。

最近、私の周りで知り合いが数人亡くなられたりしたからでしょうか。もっと話したかったとか、もっと会いに行けば良かったとか、後悔してしまうことも、いきているとあるんですよね。そうした気持ちを心の奥の方から呼んでくれるような不思議な絵本だなと思いました。

 

誰かが誰かと繋がるのには意味があると思っています。その縁を大切にできているのだろうか。私はきちんと、一人一人と接して入られているのだろうか。そんなことを考えたんです。

 

お客様とは一期一会。

一人一人と、向き合えているのかと自問自答した1日でした。

また、常連のお客様がご来店されたときは、今日どんなことがあったのかとか、思ったこととか、聞かせていただきたいな、なんて夢見てしまいました。

ふふふ、へんですね。

またのご来店お待ちしております。